|
fransing - 歌声wavとそのustファイルからUTAU向け音源wavを生成するソフト
<概要>
- fransingは歌声wavファイルとそれに対応するustファイルを入力すると、音符毎のwavファイル群とoto.iniを出力するソフトです。
歌声をUTAU音源化することで従来のUTAU単独音音源・連続音音源とは違ったアプローチや特長を持てるのではないかと思って作ってみました。私が事前に試した限りでは従来音源と比べて以下の特徴があるのではないかと感じました(一部期待も含まれています)。
(長所)
- 歌い手さんにとって:より楽しい収録作業になるのでは。
- 歌い手さんにとって:より感情表現を入れやすくなるのでは。
- 曲製作者にとって:合成音の表現の幅を広げられるのでは。
- その他:まだ真新しいやり方なので色んな実験ができるのでは。
(短所)
- 原音設定が大変。人は音符どおりのタイミングや長さで歌わないので(それも表現法の一つだと思います)。
- 調声が大変。うまく合成できない音もあるようです。また「あ」行など頻出する音ではどの音にするか選ぶのに時間がかかります。
- 全モーラを収集するには効率が悪い。汎用的な音源を作るには、従来の音源収録をした上で歌声音源を追加する必要があります。
これまでにテストしたテスト音声や説明等の詳細は以下のブログ記事をご覧下さい。
なお、もしこのソフトを使用したことでお使いの PC などに何らかのトラブルが生じても作者は責任を取りませんので、悪しからずご了承下さい。
<ダウンロード>
- (最新版)
- fransing ver. 0.3:Windows版: osdnでダウンロード (2.4MB、公開日=2014/02/23)
- fransing ver. 0.2:MacOS X版: osdnでダウンロード (9.2MB、公開日=2014/02/23)
- (旧版)
- Windows版: fransing ver. 0.2 (2.4MB、公開日=2012/01/04)
- MacOS X版: fransing ver. 0.2 (9.4MB、公開日=2012/01/04)
- Windows版: fransing ver. 0.1 (2.4MB、公開日=2011/12/16)
- MacOS X版: fransing ver. 0.1 (9.4MB、公開日=2011/12/16)
- (テスト用データ(オケmp3+ustファイル)
- 「さくらさくら(古歌、パブリックドメイン)」 (曲長=43秒、BPM=100、公開日=2011/12/28)
<インストール>
- ダウンロードした圧縮ファイルを解凍し、適当なフォルダに置いて下さい。fransing.exeをダブルクリックすると起動します。
<アンインストール>
- インストールしたフォルダを削除して下さい。
<使い方>
-
- (歌声wavとustの用意)
- 歌いたい曲のカラオケとUTAUのustファイルを用意します。
- 音声編集ソフトやDAWなどで歌声を録音します。
- 歌声をwav形式で保存します。
※(重要)歌声wavファイルはustファイルと同じフォルダに置き、名前はustファイルと同じものにします(例:fransingTest-sakurasakuraというフォルダにsakurasakura.wavとsakurasakura.ustを置く)。
※(重要)ustファイル冒頭の休符("R")長とwavファイル冒頭の無音長があまりずれないようにして下さい。大きくずれると正しくwavが切り出されません。
- fransing.exeを起動します。
- (起動画面:クリックで拡大します)
- 入力・出力フォルダを指定します。
- ※入力フォルダは手順1-cで用意したフォルダ(例:fransingTest-sakurasakura)を指定します。
- ※出力フォルダには分割wavファイルが保存されます。通常は空フォルダを作成しておき(例:outという名前のフォルダを任意の場所に作る)、そのフォルダを指定します。
- wav切り出しに関するパラメータを設定します。番号(1)から(4)までの数値パラメータの役割については画面右側の絵を参考にして下さい。
- wavファイル名の付け方を設定します。
- 各パラメータの役割については窓にある説明や赤字で表示されるファイル名例を参考にして下さい。
- %p、%m、%rの3つは必ず使用して下さい。
- 例:_%p+%m%rとした場合、「さくら」と歌った部分は「_-+さ.wav」、「_a+く.wav」、「_u+ら.wav」という3つのwavファイル名で分割されます。
- 必要に応じて「その他」の項目を設定します。
- 「語尾付近(a Rなど)を保存する」をONにすると、無音部分についてもwavを分割するようになります。
- 「再合成用ustを出力する」をONにすると、分割したwavを再合成して試聴できるようustも出力します。出力ファイル名は「元のファイル-resyn.ust」です。出力内容は元のustの歌詞文字列と音源フォルダパスを書き換えたものです。エンベロープ等は書き換えませんので、パラメータのリセット等の手動操作は必要です。合成に失敗する音の有無を調べたり、音声補正ツールとしてUTAUを利用するときなどにご利用下さい。
- 「実行」を押してwavを分解して下さい。なお、もし出力フォルダに既に何かファイルが存在する場合は以下の窓が出ます。
実行すると音符毎にwavが切り出され、oto.iniが生成されます。
- 原音設定を行います。通常は連続音音源の原音設定の考え方と同じです。ただし連続音音源ではどの音も同じ長さで発声されていますが歌の場合は音によって長さがバラバラであることに注意して下さい。なお、拙作の原音設定ソフトsetParamで先行発声のタイミング試聴等が可能です。
- 「終了」ボタンを押して終了して下さい。
<使用上の注意>
- wav切り出し実行時には既存の音源フォルダを消したりしないようにご注意下さい。
- 切り出した音源を公に配布する場合は元の曲の著作権を侵害しないようご注意下さい。細かく裁断したwavファイル群に元曲の著作権が残るのかどうかは私には分かりかねます。なお私の自作曲につきましてはustも歌唱wavも再配布等して頂いてかまいません。
<ライセンスについて>
-
fransing は GPL の下で公開されているライブラリ snack をベースに作ったフリーソフトです。
そのため、fransing のライセンスは snack に倣って GPL としておきます。
ただし snack の説明書きによると、snack ライブラリのうち MPEG に関するコードを除去すれば BSD ライセンスにできるようです。
また、MacOS版にはnkfが入っています。nkfについてはnkfのライセンス(zlibライセンス)があります。
<不具合連絡・要望について>
- 何かあれば作者ブログのコメントやtwitterなどでお知らせ下さい。なるべく具体的に説明していただけると対応しやすいです。
|
|